丸太をカット、製材機の色々
有限会社中嶋材木店
中嶋 博幸
TOKYO WOODの製材担当の中嶋です。
早いもので8月も今週で終わりますが、今年の冷夏は海や川など観光関連業界にとっては厳しかったですね。さて今回は我々製材業で使用している製材機についてお話をします。
丸太から角材や板材を挽く製材機ってどんな刃物を使っているかご存知でしょうか?大工さんが使うような丸鋸(マルノコ)の大きなもので製材しているのでしょうか?そういう機械もありますが、製材機の大半が帯鋸(オビノコ)です。
帯鋸(オビノコ)とは、名前の通り薄い帯状の鋸が輪になっていて、それを上と下の金属タイヤでピーンと張ってグルグル回っています。そして鋸の厚みはわずか1㎜程度で刃先が2~3㎜で薄いのです。帯鋸の特徴は「薄い」ということ、それと丸太のような「大きなものも挽ける」ということです。
刃先が薄いと*オガ屑の発生が少なく、丸太から製品が多くとれるのです。高価なものを製材するときほど帯鋸が有利になるのです。
*オガ屑・・・ノコギリなどで木材を加工するときに生じる目の細かい木のクズ。鉋で削った屑はカンナクズとも言います。
丸のこはある程度厚みがないと歪んでしまうので、丸太を製材するような丸鋸ですと、刃先の厚みは5〜6mmくらいになり、帯鋸の倍くらいの厚みになりオガ屑が大量に発生します。
帯鋸は上と下で2m位間隔をあけて縦にピーンと張っているので、かなり大きなものまで製材できますが、丸鋸は半径以下の大きさのものしか製材できないのです。分かりやすく説明すると、皆さん大好きなピザを想像してみてください。それが丸鋸だとするとそのピザの半径の大きさの丸太しか挽けないのです。
次に当社にある2台の帯鋸の製材機を紹介します。一枚の帯鋸がグルグル回っていて、そこへ台車に載った丸太が通ると一面ずつ製材できる台車式製材機。もうひとつは、二枚の帯鋸が回っている間を丸太がすり抜けると二面ずつ製材できるツインバンドソー。丁寧に一枚一枚木肌を見ながら製材するには台車製材。角材など同じものをたくさん製材するにはツインバンドソーの方が生産性は高いのです。
▲ツインバンドソー
▲ツインバンドソー
▲台車式製材機
一言に製材機と言ってもそれぞれ特徴があるのです。先日開催されたTOKYO WOODバスツアーでは製材工場の見学もありますので、そんな製材機にも着目してみると面白いと思います。