木々と植物の関係

木々と植物の関係

田中林業株式会社

田中 惣一

皆様、こんにちは。
TOKYO WOOD WORKER’S 田中林業の田中です。

梅雨真っ只中の檜原村ですが、弊社管理林内の林床(りんしょう:森林内の地面)では実生のアジサイ達が謙虚にその存在をアピールする季節となりました。

東京の森では間伐をすることによって林内に光を入れてあげます。すると真っ先に生えてくる植物の一つがこのアジサイといわれています。当然、上層木が生長し、林内の光度が下がってくるとアジサイが減ってきます。アジサイが減ってきたなと思ったら、もうそろそろ間伐してもよいかなというように、林内環境を計るバロメーターとしてもアジサイの繁茂状態は常に気にかけているんです。

林業ではアジサイを中心とする、こうした林床植物を重視している理由があります。それは森の地力(じりょく:肥沃度)の低下を緩和する目的です。林内の適度な湿度を確保することによる土壌生物(ミミズ等)や微生物の生育環境を保持するのと同時に、冬になれば葉を落とすことでそれらに有機物を供給します。土壌生物や微生物は有機物を無機化し、それらが林内の木々に栄養分として吸収されます。

林業の専門用語で、一つの森で広葉樹から針葉樹への樹種転換後、最初の伐採までを「一代目」、次の植栽から伐採までを「二代目」と言いますが、「一代目」より「二代目」の方が、「二代目」より「三代目」の方が、生長が落ちると言われています。これは明らかに森の地力の低下が原因なのだろうと思います。

東京の森も「二代目」、「三代目」がほとんどを占めており、長い目で見た持続性を考えたとき、このようなことも配慮に入れて森づくりを行っていかなければなりません。TOKYO WOOD WOKRER’Sこだわりの森づくりです。