林業機械を使いこなす「段取り」
田中林業株式会社
田中 惣一
皆様、こんにちは。田中林業の田中です。
檜原村の木々も芽吹きが始まり、広葉樹の山々もうっすらと黄緑がかってきました。新緑の季節ですね。
さて今回は弊社が所有している林業機械について紹介させていただきます。林業作業で使用されている機械というとまず「チェーンソー」が思い浮かぶと思いますが、今回ご紹介させていただくのは大型の「高性能林業機械」と呼ばれているものです。
まずはバックホーのベースに木を掴むアタッチメントが付いた「グラップル」です。この機械にはウインチ(物の上げ・下ろし、運搬、引っ張り作業などに使用する)も付いていますので、集材から仕分け、トラックへの積み込み作業までこなす、現在では欠かすことの出来ない機械です。
次にこれまたバックホーのベースに*造材機構が付いた「ハーベスタ」と呼ばれる機械です。この機械は造材工程の測尺・枝払い・玉切り作業を1台でこなす、まさしくスーパー機械です。ただ…値段もスーパーなので、弊社でも昨年覚悟を決めて導入しました。
*造材・・・伐採した木を適当な長さに切って木材にすること。
次の機械は不整地運搬車がベースの「フォワーダ」と呼ばれる運材専門の機械です。檜原村のような急傾斜地では通常のトラックが入れる場所が限られていますので、この機械でトラックの入れる場所まで造材された材を運び出します。
以上、主力の3機種を紹介させていただきました。
実際の作業ではこれらの機械を遊ばせないよう「段取り」を行うことが最も重要になります。機械があることで作業効率は上がりますが、それに伴い機械を動かすためのコスト(経費)もかかります。併せて機械が大型化するということは怪我も重症化するということなので、「安全」には以前にも増して細心の注意を払っています。私たちは機械をどう使うのか、緻密な計算を立てて作業を進めているのです。
林業作業員もかつては個人の技術が重要視される事が多かったのですが、これからは集団の技術、つまり「段取り」と他者とのコミュニケーションをしっかりと行い、その中で個人の技術を発揮していくことが求められます。
私自身も日々そのようなことを考え、従業員と共に山に入っています。