木は同じモノばかりじゃない

有限会社中嶋材木店

中嶋 博幸

製材担当の中嶋です。

同じ山、同じ時期、同じ斜面に植林した木がみんな同じに育つか？…と言うとそうではない。TOKYO WOOD見学ツアーに参加した方はご理解いただけたかもしれませんが、同じ期間でも良く育って太る木もあれば、細い木もあります。

人の子と一緒で、同じ親から生まれ、同じ食卓で、同じ環境で育てても、性格や体格が一緒かと言えばそうでもない。当たり前のことかもしれませんが、これはもって生まれた個性であり、その個性を活かすことが大事なではないかと思います。

一つの人工林伐採現場からはスギ、ヒノキ、サワラなど色んな樹種が出てきます。太いのも細いのも、節があるものないもの、まっすぐなもの曲がったもの、色んなものが出てくるが、それらを活かすのが私たち製材業の仕事だ。

20㎝未満の太さの丸太は、土台や柱など角材をとって構造材に節のある*中目丸太は、間柱や筋交いなど羽柄材に。（*中目丸太：中程度の太さの丸太のこと。中目丸太は、柱適寸丸太（末口の直径が14cm～18cm）と、一般の中目丸太（末口の直径が20cm～28cm）の2つに分けることができる。）

枝打ちしてよく手入れした元木丸太は、造作材や内装材に造作材をとった端材を活用して集成材をつくり、階段やカウンター材に太い丸太は、巾の広い板で家具材に曲がった丸太は、構造集成材のラミナや合板に。

といった具合に、木を見てそれぞれの個性を活かし、『適材適所』に木を余すところなく使い切るのが、私たちの責務なのです。TOKYO WOOD普及協会では「多摩産材のＰＲと振興」を目的に東京都の支援を頂いて三鷹に展示場をオープンしました。このモデルハウスでは東京の山で育った木を余すところなく様々な用途で活用されています。とくに、スギの浮造り床などは、柔らかさの中に年輪を感じる肌触りが最高です。

木は同じモノばかりじゃない。それを活かすのが私たちの仕事です。そんな製材所の仕事も思い浮かべながら、ぜひ一度、三鷹展示場 多摩産材モデルハウスまでお越しください。