手刻み…後世に残す重要な技能
株式会社タカキ
小山田 友和
皆様こんにちは。プレカット担当、株式会社タカキの小山田です。
前回、プレカットデータの作成に関して少しご説明させてもらいましたが、今回はプレカット加工について説明したいと思います。TOKYO WOODが建築予定地へ届く直前の加工工程です。
弊社のプレカット加工は、大きく分けて”構造材”と”羽柄合板材”の2つがございます。構造材の中でも横架材(おうかざい)と柱材(はしらざい)に分かれており、今回は柱材のプレカットについて説明したいと思います。
まずプレカットデータを作成し、お客様の建築予定の住宅における構造材と羽柄材の数量を拾い出し、製材所へ発注手配を掛けます。その後、加工予定前にTOKYO WOODが弊社工場へ入荷します。
柱加工機にプレカットデータを読み込ませ、柱材を加工する順番に加工台に並べます。その際注意する事は、柱の上下、『元』と『末』を確認しなければなりません。柱材が森で育ち、立っていた状態と同じになるような加工にする必要があります。
柱にもそれぞれ特徴が有るので、図面を見ながら1本1本丁寧に見極めながら向きを見て並べます。
並べた柱材は、順番に1本ずつ自動で加工されていきます。まず、土台や梁という部材の上にあいている穴にはまるよう、ホゾという突起加工を柱の根元に施します。
下ホゾ加工させた後に、中間に差し加工や、もたせ加工があれば加工し、最後に全長をカットし上ホゾの加工をさせます。
全ての加工が終わると、柱材に番付けという印字をして最終ラインに流れて来ます。
その後、現場へ配送する為に、柱材を何段かに積み上げて階層別に梱包していきます。
今回紹介した柱の加工機で加工する部材は、通柱(とおしばしら)、管柱(くだばしら)、小屋束(こやづか)になりますが、家を1棟建てるには、柱材以外に土台や梁と言った横架材も必要になり、各セクションで熟練した技能者が携わり、1棟1棟丁寧に加工してお客様の現場へ納品させて頂いております。
この一連の加工を、大工さんが墨を付けて刻んで作っていたのを思うと、大工さんには頭が上がりません。この柱機械も加工範囲の限度があり、その場合は従来の手刻み(人の手で墨を付けて刻む)をしなければなりません。その為、手刻みは未だに不可欠であり、後世に残す重要な技能だと思います。
次回、また他の加工機の紹介をしたいと思います。